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元サイト:弈客囲碁
原作者:秋刀魚
この世の中で、幾多なありえる事情は、常に予測不能なことに阻まり叶えず、かえって考えもしなかったことは、最後に事実になる。
——『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』
運命を変えることは、如何に難しいことか。大きな歴史から、小さな碁盤まで、運命と歴史を変えられる人たちは、「天下を操る奇才」とも言われてる。
1月20日の午後、春蘭杯準決勝で、中国棋士連笑(れん・しょう)九段は決勝進出まで、あと一歩のところまでたどり着いた。
ただその時、ある「化け物」がこのイケメン棋士に立ち向かい、彼を決勝進出はかなわかった。
対局直後、囲碁ファンは彼の「不幸に悲しみ、不甲斐さに怒る」、連笑が世界戦での脆い心理状態が本局の敗因と囚われ、あの「化け物」の恐ろしさにはちっとも触れなかった。
連笑は本当に自分に負けたでしょうか?
これに対し、胡耀宇(こ・ようう)先生がこのようなの疑問を放ちました:「連笑は本当濡れ衣を着せたか」
実は連笑に濡れ衣を着せなかった、彼に立ち向かった棋士は、「百年に一人の鬼才」と呼ばれる申眞諝(シン・ジンソ)だった。
既に引退した韓国のレジェンド棋士李世乭(イ・セドル)も「化け物」と呼ばれ、ただ李世乭の「鬼」は常に相手が考えもしなかったところから秘めな一手を放つことだ。
申眞諝は全く違うタイプで、常に成立できない手段を放ち、相手の内心に「鬼」の種を埋め、躊躇している間にミスを犯すことだ。
これはまさに諸葛孔明が残した千古の技ーー空城計のようだ。
ここから、筆者とともに申眞諝の絶妙な「空城計」をお見せしましょう。まずは連笑との一局から。
申眞諝はこの局で「空城計」を極めた、この技を実は二回も使ったのだ。最後はうまく連笑をハメられ、勝利に導いた。
第一幕
白番の連笑はここまで素晴らしい内容を残した、後半に入り、申眞諝が必死に連笑の地へ踏み込んだ。ただ中央の黒の大石に薄みが現れ、ここで連笑が果敢に白140と放った。
ここで黒1ノビと白2キリを交換し、黒3オサエば生きることができる、ただし先手を奪った白は白8から中腹に地と作り、黒9は欠かせない、ここで白は優勢の局面で終盤に向かう。
申眞諝はここでなんと黒141とオサエを打ったのだ。連笑は多分驚き過ぎで、眼球も落ちるほどだ、白142と144先手で黒の眼形を潰し、黒の大石が死ぬことに怖くないのか?
全く考えもしなかったことが発生した、申眞諝はこれほどの死活を見損じするのか?連笑はここで深く疑っただろう、「まさか自分に誤算があったか?」
確かに、ここで白が直接仕留めれば、黒の大石は生きることができない。
申眞諝の黒141は、まさに司馬懿が十万大軍を招き入れた頃、城楼で琴を弾いている諸葛孔明のようだ。
古に諸葛孔明があり,今に申眞諝ある。危機一髪の時、申眞諝の冷静さはほぼ同じのものだ。
何度も計算し直した結果、連笑は申眞諝の一手に対し「罠がある」と考え、結果は白146と出た、ここで下準備をしたいと主張した。ただチャンスはこの一瞬でなくした、申眞諝はこの「空城計」で、一回目の危機を乗り越えた。
これは連笑の優柔不断に責めず、この「ズルい」相手を責めたほうがいいと思う。
第二幕
このあと、白番の連笑は実は優勢を保っていた、ただ黒の猛追の足音が聞こえてきた。黒167のコスミに対し、白はAでオサエば、依然として優勢である。実戦の白168はいっぱいに受けたが、これも問題はない、ただここから申眞諝の2度目の「空城計」に不安を残した。
ここで注意したいことがある、黒1のノビは不成立のことだ、白はここで2子を捨て、左辺の大石を仕留めることができる。
白168の一手から、申眞諝は鋭く中央の白のダメが詰まっていることを見つかり。そこで黒169と交換し、171とブツカリを放った。まさに鬼のような勝負手だ。
実際、この手も先程の黒141と同様、不成立な一手だ。ただ連笑は既に秒読みに入り、それに加わり「ダメが詰め」は強豪棋士にとって一番神経を使うことだ。
ドキドキと、この時連笑の心拍数は150以上まで上がっただろう。
この時局面が優勢で時間が迫っている棋士は、相手の予想すらしていなかった「変な一手」が一番怖いことだ、ただ何を恐れていてば、何かが訪れてしまう。
とにかく、申眞諝は恐るべし棋士だ。
白にはいくつか勝利へ導く方法がある。まずは白1のキリ、黒2に対し、白3からアテることができる。ここで黒Aのノビができなくなり、白5まで黒からの損失が大きく、差が広がる一方で、白の勝利がほぼ確定となる。
実践の白172アテコミも間違えではない、ただ黒173のあと、中央の白のダメがかなり詰まってきたのだ。
この頃、連笑の心拍数は200まで飛び上がっただろう。
中央に手があるのか?手があるのか?誰か教えてくれないか?一分間で冷静になれるのか?
この図はAIがおすすめした打ち方だ。白1アテから、左辺はコウにならなくなる。黒は一連の手段で白の中央を破ることができるが、左辺の白が蜂の巣のようになり、白の勝利が確定する。
多分連笑はこの変化を計算してただろう、ただ一分間でこの図を計算し、勝てるかを計算するのは、どれほど難しいことだ。
秒読みに迫り、連笑の頭はもう真っ白になっただろう、手が白174に止まり、ここで全てが変わってしまったのだ。
この一局で、連笑は二回「空城計」にハマってしまい、これほど悲惨なことはないだろう。
ただ、私たちは連笑を責めることができません。申眞諝に「騙された」トップ棋士は、連笑だけではない。
次に、昨年11月14日で行われた「朴申七番勝負」第四局を見てみよう。冷静な朴廷桓(パク・ジョンファン)も、申眞諝の「鬼の一手」でやられたのだ。
「朴申七番勝負」は、第三局まで申眞諝の3-0となり。朴廷桓は既に背水の陣に迫られた。前半の朴廷桓は低迷に陥り、形勢も不利な状態になった。ただ後半に入り、申眞諝のミスをうまく掴み、逆転に成功した。
第三幕
この局面に入り、黒195ハサミを決め、このままヨセば黒勝ちは間違えない。朴廷桓がようやく一勝を返したかと思われたその時。
危機一髪の申眞諝はいきなり中央に白196を放った、白Aは先手のため、中央の黒のダメはより一層詰まっている。
お分かりだろうか、この局は連笑との一局はほぼ同じ状況だ。
1.形勢有利にも関わらず、中央のダメが詰まっている
2.形勢有利のほうが、時間が迫っている
3.申眞諝が予想外の「鬼の一手」を放った
実に、白196は成立しない一手だ、黒はここでBツナギを打てば、白からの手がないのだ。ここで勝負アリの局面になるばすたが。
実戦、申眞諝の成立できない一手が、まさに奇効を奏した。
朴廷桓は得失と真偽を疑い、実践はより安定と見える黒197カケツキを打った。
ただこの一手は大ポカになり、白198と白200ツナギの後、元々成立すらしない白196はダメ詰めの好手になったのだ。
中央のでかなり損失した黒は、最後惜しくも半目負けの結果となった。
全く違う相手で、同じ場面、最後に勝った男は申眞諝である。
連笑と朴廷桓の心が脆いの問題ではなく、申眞諝が相手の心理をうまく把握し、うまく読み取り、これが申眞諝の強いところだ。
ここで申眞諝の相手に一言言わせたい、申眞諝の「鬼の一手」に恐れず、実はこの一手は「ハメ手」かもしてない。
(下編につづく)